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執筆者の写真浅見 純一郎

2021年3月、豊洲北小卒業生及びご家族の皆様へ


卒業生の皆様へ

卒業にあたり、PTAを代表いたしまして、お祝いの言葉を述べさせて頂きます。

卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。 6年間はどうでしたか? 悩んだりしたこともあったかもしれませんが、楽しい6年間を過ごせたと思います。


また、6年間で確実に成長してきました。喜ばしい限りです。 さて、僭越ながら皆様に贈る言葉を考えてきました。 まず、いま皆さんは12歳ですが、23年後の2045年、みなさんが36歳になったとき、日本の人口は 約1億人で、37%が65年歳以上になると推計されています。いわゆる少子高齢化の結果の状況です。そのなか、みなさんは、どのように生きていくのでしょうか?

さて、今年は、新型コロナウィルスの蔓延があったので、普通の年ではありませんでした。みなさん、運動会や卒業旅行もなく残念と思っていたとは思いますが、決められた中で日々生活を頑張っていってきたのだと思います。

そして、おそらく皆さんが思っている以上に、大人はこのコロナの対応に苦慮しています。大人はきっと答えを持っているのだろうと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。 というのも、今の大人たちも、これほど世界規模で1年以上も続く危機に直面した経験がないのです。

私自身は、今46歳ですけど、1番今まで大きい危機が10年前の東日本大震災。関西にいた人は、25年前の阪神淡路大震災の経験があると思いますが、今回の新型コロナウィルスはそれ以上かと思います。 そして、長期にわたり緊急事態宣言下で生活するのは、第2次世界大戦以降無いのではないかとも思います。とすると、みなさんのお爺さんお婆さんも経験していない人が多いかもしれません。

多分将来の歴史の教科書に載る出来事で、「2020年新型コロナウィルス蔓延・オリンピック延期(中止?)」と覚えさせられます。 ただ、悪い話だけではなく、今後10年以内の間は、色々なものが進化し発展していく世の中になり、いわば、産業革命みたいな形で大きな社会的変化が素早く起きると思われます。

すると、どうなるでしょう。今の大人が経験で得てきた、方程式がそのまま使えなくなってきます。 代わりに、目の前の状況を理解し、分析し、方向性をうち出し、決断するということを繰り返して経験値を高めていくことが必要になってきます。OODAループという考え方です。”走りながら考える”って言われる比喩に近いです。

ところで、「中二病」って聞いたことありますか?Wikipediaによると、「中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を自虐する語。転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄したネットスラング」とあります。 どちらかというと、ネガティブな表現なのですが、それに対して、ラッパーのZeebra(NiziUのリマのお父さんといった方がいいかもしれません)が、「何にも本気になれない『出る杭を打つ』クソみてえな文化を助長するだけ。島国根性丸出し。」って言っていたようですが、私もちょっとそう思います。

私自身も、中学生頃は、大人はたいしたことないな。とか、テレビではこう言っているけど、実際は違うだろうと思っていたことを思い出します。今思うと、立派な中二病でしたね(笑) 皆さんの中でも、今後いわゆる中二病的な感覚を持つ子も持たない子も出てくると思います。それぞれ個性ですので、どちらがいいとは言えませんが、中学生の感覚は研ぎ澄まされていることが多いと思いますので、記録をしておくといいと思います。 もしかすると、新発見や発明がその中から生まれるかもしれません。

さて、毎年卒業式の祝辞では、有名な歌を引用してお話をしております。1年目は、オリエンタルラジオのパーフェクトヒューマン、2年目が、SMAPの世界に1つだけの花、3年目が、海援隊・武田鉄矢の贈る言葉。4年目が、松任谷由実のノーサイド。去年は、式ではなくコメントでしたが、水戸黄門の歌。

最後の今年も貫こうと思いまして、考えました。欅坂46のサイレントマジョリティー。をご紹介します。

2016年4月に発表されて、歌詞は秋本康さん書いています。彼は、私は中学生時代におニャン子クラブっていうグループがあったのですが、それをプロデュースしていました。もう、30年以上前です。 その秋元さんがプロデュース及び歌詞を書かれたのが、欅坂46のサイレントマジョリティーですが、非常に考えさせられる歌詞ですので、最後に、ご紹介してみたいと思います。

まず、サイレントマジョリティーという言葉をWikipediaで調べると、 『物言わぬ多数派という意味で、積極的な発言行為をしない一般大衆のことである。』とあります。なんとなくわかるのではないでしょうか?

そして、サイレントマジョリティーの歌を歌いたいところですが、歌詞を読んでみます。まず、出だしです。

人が溢れた交差点を どこへ行く?(押し流され) 似たような服を着て 似たような表情で

から始まります。そして、少し飛んでさびです。

君は君らしく生きて行く自由があるんだ 大人たちに支配されるな 初めから そうあきらめてしまったら 僕らは何のために生まれたのか? 夢を見ることは時には孤独にもなるよ 誰もいない道を進むんだ この世界は群れていても始まらない Yesでいいのか? サイレントマジョリティー

みなさん、どう思いましたか?

額面通り、大人たちに支配されずに、世間に反抗して生きていこう!

とか、中二病ぽく、 大人たちに支配されずと言いながら、欅坂自体が大人に支配されているじゃないか?

とか、 サイレントマジョリティを意識して生きていった方がいいな。

とか、それぞれ思う人がいると思いますが、それぞれが正解だと思います。

ただ、色々な風に思う価値観があるということと、世の中、色々な人がいることと、場合によってはサイレントマジョリティーがいるということです。 大人になっても、この世の中でどのように生きていくべきかの答えがわかりません。その為、みなさんも今後、色々と悩むことがあるかと思います。そして、悩みに直面したら本を読んだり、誰かに相談してください。

大きく変化する世の中かもしれませんが、他人や自分の中の多様性を許容して、考えていくことにより、自ずと課題に対処ができるようになってくると思います。また、感情からくる直感と、冷静な分析力が大事になってくると思います。

2020年は、ピンチの年であるというのは言うまでもありません。ただ、今後はそれをチャンスにできるタイミングであるということと、それに携われるという可能性をみなさんは持っています。

あと10年もすれば世の中を変えている子(もう大人ですね)が、この中に一杯いるのではないでしょうか。

形あるものは壊れます。壊れたら、また新しいものをつくります。その繰り返しです。豊洲の街も、もともと造船工場であったのが、大体15年位前に、豊洲北小学校もそうですけども、ららぽーと豊洲、マンションなどと新しいものに変わってきました。同様に、色々な価値観が壊れ、新しいものができてくるでしょう。

このような世の中で、皆さんは重要な武器を持ちました。 それは、「多くの同級生」そして、「多様性」「インクルージョン」という概念と、それを教えてくれた先生方です。 4月からは新生活を走っていくこととなると思いますが、時にはその武器を思い出してください。 本日は、おめでとうございました。

卒業生保護者の皆様へ

6年生の保護者の皆さま、12年間お疲れ様でした。 先日、6年前の入学式の写真をひっくり返して見てみたのですが、まだ幼い子ども達がサクラとともに写っていました。


1・2年生の頃は幼い子供たちでしたが、3・4年生になるとだんだんと子どもたちの自我が芽生えてきましたね。 保護者といえども、初めての事も多く、戸惑ってしまったこともあったのではないでしょうか。 そして、6年生。 緊急事態宣言の中、授業が始まらず不安いっぱいの幕開けでした。親としては、不完全燃焼を感じたこともあったかもしれませんが、子供たちはそれを乗り切って生活してきました。将来振り返ってみると、貴重な一年だったと思う時が来ることを願っています。

そして、子どもたちは豊洲北小学校から巣立ちます。 4月からは子どもたちの環境が変わり、親子ともども期待と不安が混じっていると思いますが、子どもたちは立派に成長してきているので頑張ってくれるでしょう。

卒業生の保護者の皆様、おめでとうございました。 先生がたへ

最後になりましたが、校長先生をはじめ、教職員の皆さま、6年間、一人一人の児童に熱意をもって指導していただき、保護者を代表して心より御礼申し上げます。

「インクルージョン」とても素敵な言葉を、卒業生にプレゼントしていただきありがとうございました。

豊洲北小学校PTA会長 浅見純一郎


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